医療AI 画像診断【日本の薬事承認されている医療機器まとめ】

この記事はこんな方におすすめ
  • 臨床活用されている医療AI機器が知りたい
  • 日本の薬事承認されている医療機器が知りたい
  • AI画像診断にはどれくらい使われているのか知りたい

日本でも海外に比べるとまだ少ないものの、薬事承認されるAI機器が増えてきています。

現在日本では、医療におけるAI技術は論文では高精度なAIに関する論文が数多く発表されているにも関わらず、臨床医療の現場に実装されているAIは非常に少ない状況と考えております。

実際に薬事承認されているAI医療機器は他の先進国に比べまだまだ少ないのが現状です。

今回は、現在僕が分かる範囲での主に画像診断に関わる薬事承認されている医療AIをまとめてみました。

この記事を読むことで、「今どんな医療AIが社会実装されているのか」をイメージできると思います。

それではさっそく見ていきましょう。

目次

医療AI機器まとめ

2018.12 大腸内視鏡診断支援システム「EndoBRAIN」
2019.9 脳動脈瘤(検出)読影支援「EIRL aneurysm」
2020.1 大腸内視鏡診断支援システム 「EndoBRAIN-EYE」
2020.6 肺結節AIプラットフォーム「SYNAPSE SAl viewer」
2020.6 COVID-19 肺画像解析プログラム
2020.6 COVID-19 胸部CT画像解析プログラム「Ali-M3」
2020.6 胸部CT画像解析ソフト 「AI-Rad Companion」
2020.7 頭部単純CT : 脳卒中診断 「Abierto RSS for Stroke」
2020.8 胸部X線 : 肺結節 「EIRL」

大腸内視鏡診断支援システム「EndoBRAIN」

EndoBRAINは、オリンパスが開発したAIを用いて内視鏡でリアルタイムに病変を検出することが出来る医療AI機器です。内視鏡における病変検出用AIとして国内で初めて薬機法承認を得た製品としても有名です。

大腸癌は,近年日本の癌による死亡数2位と増加傾向にあるためかなり有用性の高いものであると思います。

詳しくはオリンパスのサイトを参照下さい。

→ サイトはこちら

脳動脈瘤(検出)読影支援「EIRL aneurysm」

EIRL aneurysmはエルピクセルが開発した、脳MRI画像を人工知能とりわけ深層学習を活用した技術によって解析し,脳動脈瘤の疑いがある部分を検出する医用画像解析ソフトウェアです。脳MRI画像より2mm以上の嚢状動脈瘤に類似した候補点を検出しマークを表示することで,医師による読影をサポートします。

世界有数のMRI保有国である日本では、比較的安価にMRI検査を受診できることから「脳ドック」が普及しており、「未破裂脳動脈瘤」が発見されるケースが多くなっています。「脳動脈瘤」は破裂することで「くも膜下出血」の要因となります。

EIRL aneurysmによって診断精度の向上が見られたことから医師の負担軽減に役立っています。

詳しくはこちらのサイトを参照ください。

→ サイトはこちら

大腸内視鏡診断支援システム 「EndoBRAIN-EYE」

EndoBRAIN-EYEは①と同様にオリンパスが開発した、大腸内視鏡検査における病変検出を支援するソフトウェアです。

内視鏡検査中にAIが病変候補を検出し警告することで、大腸病変の発見を補助します。病変を検知すると、音・画面上の色及び矩形表示により警告し、リアルタイムで病変検出をサポートします。

詳しくはオリンパスのサイトを参照下さい。

→ サイトはこちら

補足として、他にもEndoBRAINシリーズとして薬事承認を受けている製品が増えてきています。

EndoBRAIN-Plus

大腸内視鏡で得られた大腸粘膜の病変の画像をAIで解析し、その病変に対する非腫瘍、腺腫・粘膜内癌、浸潤癌、それぞれの病理診断予測をパーセント(%)で表示させることで、大腸内視鏡検査の診断を支援するソフトウェアです。

EndoBRAIN-UC

大腸内視鏡で得られた腸管の画像をAIで解析し、潰瘍性大腸炎の炎症の有無の確率をパーセント(%)で表示させることで、炎症状態の診断を支援するソフトウェアです。

肺結節AIプラットフォーム「SYNAPSE SAl viewer」

「SYNAPSE SAl viewer」は、富士フイルムが開発したディープラーニングを用いた「肺結節検出機能」と「肺結節性状分析機能」を提供する医療クラウドサービスです。

臓器自動抽出など様々な機能を持ったワークフローです。

詳しくは富士フイルムのサイトを参照下さい。

→ サイトはこちら

COVID-19 肺画像解析プログラム

「COVID-19 肺画像解析プログラム」は、中国のInfervisionという会社が開発したAIです。

インファービジョンのAIは肺のCT画像を読み取り、ウイルス性肺炎が疑われる部分を2分程度で見つけ出し、分布している体積なども参考情報として表示することが出来ます。

もともと肺炎診断を支援する機能として開発したAIアルゴリズムに、新型コロナ肺炎患者の肺画像を学習データとして多く読み込ませたため、新型コロナに感染した可能性を表示できます。

中国・武漢市内の複数の病院から2000を超える新型コロナ肺炎患者の画像データを学習させたそうです。

詳しくは英語表記ではありますがサイトを参照下さい。

→ サイトはこちら

COVID-19 胸部CT画像解析プログラム「Ali-M3」

「Ali-M3」はエムスリーと中国のアリババが開発した胸部CT画像から新型コロナウイルス肺炎に見られる画像所見の確信度を提示するとともに、関心領域のマーキング機能を備えるAI機器です。

7038例の検査画像データ(うち新型コロナウイルス肺炎の検査画像データ3067例)を学習データとして使用し、ディープラーニングを活用して開発されているそうです。

やはり、⑤でも紹介したように中国はいち早く研究成果を出していますね。コロナが流行って日本も急いで薬事承認したみたいですね。

詳しくはサイトを参照ください。

→ サイトはこちら

胸部CT画像解析ソフト 「AI-Rad Companion」

「AI-Rad Companion」はシーメンスヘルスケア株式会社が開発したCT画像から肺、心臓、大動脈 を自動解析するため、AI技術を用いて開発されたソフトウェアです。

ディープラーニング技術を用いて肺結節の検出や測定、大動脈の直径の測定などを自動で行うことが出来るそうです。

  • 肺における肺気腫率(LAA%)の計測
  • 肺結節の検出と大きさの計測
  • 心体積の計測
  • 冠動脈の石灰化検出、及び石灰化の定量化
  • 大動脈直径の計測、など

詳しくはサイトを参照下さい。

→ サイトはこちら

頭部単純CT : 脳卒中診断 「Abierto RSS for Stroke」

「Abierto RSS for Stroke」はキャノンメディカルシステムズが開発した、脳卒中の画像診断ワークフローの改善を目的としたアプリケーションです。

ディープラーニング等を用いて設計・開発した技術により,頭部単純CT画像から周囲と比べ低コントラスト及び高輝度の領域を自動で強調表示することができ、画像診断ワークフローの改善に貢献するそうです。

Deep Learning等の最新技術を駆使して、脳梗塞や脳内出血など、一刻を争う緊急患者さんの画像情報を素早く適切に処理し、頭部CT画像の虚血性変化などの検知情報が一刻も早い治療方針の決定に貢献し、脳血管疾患患者さんのQOLを高めることが出来ます。

詳しくはサイトを参照下さい。

→ サイトはこちら

胸部X線 : 肺結節 「EIRL」

胸部X線 : 肺結節 「EIRL」は、エルピクセルが開発した胸部X線画像から「肺結節」の疑いがある候補域を検出し、医師の診断支援を行う医用画像解析ソフトウェアだそうです。

「EIRL(エイル)」は、人工知能を活用した医療画像診断支援技術の総称であり、様々な製品の開発が行われています。

日本人の死因第一位は「がん」であり、その中でも死亡者数が最も多いのは「肺がん」です。

胸部の画像解析におけるAIはいくつも開発されていますが、それだけ重要視されているということではないでしょうか。

詳しくはサイトを参照ください。

→ サイトはこちら

まとめ

2018.12 大腸内視鏡診断支援システム「EndoBRAIN」
2019.9 脳動脈瘤(検出)読影支援「EIRL aneurysm」
2020.1 大腸内視鏡診断支援システム 「EndoBRAIN-EYE」
2020.6 肺結節AIプラットフォーム「SYNAPSE SAl viewer」
2020.6 COVID-19 肺画像解析プログラム
2020.6 COVID-19 胸部CT画像解析プログラム「Ali-M3」
2020.6 胸部CT画像解析ソフト 「AI-Rad Companion」
2020.7 頭部単純CT : 脳卒中診断 「Abierto RSS for Stroke」
2020.8 胸部X線 : 肺結節 「EIRL」

以上、いくつか日本で薬事承認されている医療AIについてまとめてみました。

紹介したもの以外にもたくさんあるかと思いますが、冒頭で述べたように日本は論文で発表されている割合に対してまだまだ臨床で活躍するAIは少ないのが現状です。

この記事で医療AIにも興味を持っていただけたら嬉しいです。

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